ブログ

2026-01-19 14:26:00

ドルが信認できない今年の投資をどうすべきか

最近UBSが公表した最新の富裕層向け調査レポートは、なかなか示唆に富んだ内容になっています。この調査では、世界の億万長者たちが「どの地域に投資機会があると考えているのか」を12カ月および5年という時間軸で尋ねています。

結果を見ると、これまで圧倒的な支持を集めてきた北米市場への投資熱がやや後退しています。今後12カ月で投資機会があると答えた割合は63%と依然高水準ではあるものの、前年の80%からは明確に低下しました。一方、評価を大きく伸ばしたのが西ヨーロッパと中国です。西ヨーロッパは18%から40%へ、中国も11%から34%へと急上昇し、資金が分散し始めている様子がうかがえます。中国を除くアジア太平洋地域も33%と存在感を高めていますね。

この理由は、ビリオネアたちが最も警戒しているのが関税問題で、回答者の66%が市場環境への最大のリスクとして挙げています。次いで地政学的紛争、政策の不透明性、高インフレと続きます。つまり「成長力」そのものよりも、「予測可能性」や「分散」への指向が強まっているわけです。

具体的には、ユーロ圏株に投資する「iShares MSCIユーロゾーンETF(EZU)」や、中国株に投資する「iShares MSCI China ETF(MCHI)」がこれにあたります。ただ、もしも貴方が個人で高齢なら、これらは米国上場ETFであり、日本居住者が保有したまま相続が発生すると、米国の遺産税が論点になる可能性があります。

そこで現実的な代替案として浮上するのが、日本の証券取引所に上場しているETFです。たとえばユーロ圏への投資であれば、ユーロ・ストックス50指数に連動するETFが東証に上場していますし、中国株についてもCSI300指数に連動するETFや、中国テック企業に絞ったテーマ型ETFが日本円で取引できます。指数は完全一致ではありませんが、相続や税務の扱いを含めた「持ちやすさ」は大きな利点です。

私も世界株=2559や米国短期債券=133Aといった固い資産をベースに、個別日本株と社債、さらにはプライベートエクイティーに成長エンジンを求める構成にしており、よりリスク対策を強化しつつあります。

というわけで、ビリオネアの投資動向は派手に見えがちですが、実際には「集中を避け、制度リスクも含めて設計する」という極めて現実的な判断のようです。私たち個人投資家にとっては、特にリスクへの対応は最重要課題ですから、どの商品を買うかだけでなく、「どの国の制度に乗るのか」を考えることが、これからますます重要になってきそうですね。

(またもや金は高騰し、アメリカは不安。単純にドルが信認を失いつつある、とも言えそうですが(笑))